続編: Four Frame Story Quiz! 「過去を表す英語表現」を用いた言語活動

公開日: 2021年9月28日火曜日

図1:Aさんがはじめに書いていた 4 Frame Story Quiz 





図2: 学級全体でDestiny Game




英語を長年学んでいて,とっても得意な子がいます。

時々,いろいろな研修会に行くと,「英語を習っている子,習っていない子の差が大きくなってきて,授業が難しい」というお声を聴くことがあります。

正直,わかるなあという部分もあります。


一方で,算数や体育などの学習と照らして考えたとき,得意な子の声,発言,意見ばかりで進んでいく授業と,そうではない,本当の意味で考えを聴き合い,子どもがかかわり合ったからこそつくり出される考えに出合う授業とがあるように思います。


今日は,そんなことを考えさせられる,外国語の授業の時間の子どもの姿がありました。



学級に,英語がとっても得意で,英語を使って将来も,何かがんばりたいなあ!と考えている子がいます。英語の検定などにもチャレンジしながら,学び続けている人です。この記事の中ではAさんとしましょう。


前回書いた4コママンガを用いた言語活動で,Aさんと同じグループで活動しているBさんがいます。Bさんは,英語は楽しいんだけど,音や文字はよくわかんない!わかんないが重なると,ちょっとつまんないなあ,という感じの子です。(それは,だれでも,ですよね。)


今日は,授業の中で,わたしも少し間に入りつつその2人がかかわり合っていました。

自分のStory をおおよそまとめて,英語でどう表現すればいいのかな〜と悩んでいたBくん。

わたしは,Aさん,こんな表現どう?って,あるー?

と尋ねました。

Aさんは, "I went to go to 〜 river ..." と言いかけました。

わたしは, "Ahhh.. I went to 〜 river. I see." と少しゆっくり,はっきり発音しながら,Aさんが表現したかったかな,と思われる表現をなぞるように言いました。

Aさんは,「うんうん」とうなずきながら,「あっ」と わたしの発話に (go to) が無かったことに気付いた様子でした。


(ここでの見取りは, "I want to go to 〜." のフレーズにも慣れている子だったので,その表現との混同が見られたのかな,と捉えていました。しかし,Aさんは,音声は明確に "wEnt to"と発音していました。)


Bくんは,タブレットを指しだし,Aさんの "I went to 〜 river by car." という音声表現を録音しました。初めの数回はわたしも一緒に横で言いながら,徐々に音量を下げて,Aさんの音だけになるようにしました。


すると,Bさんはうれしそうに何回もその録音された音声を聞き返して,自分で発音しながら練習していました。"I want to 〜 river." と発音したときには,Aさんとわたしが,「 "I want to 〜."だったら,ほら,七夕のときにやったやつになるよ,〜をしたいなあってお願いごと言ったじゃん。似てるよね〜」と一緒にBさんに伝えました。音声の類似性も共感しつつ。


ここまでだと,教える,教えられる関係で学習が終わるかなあと感じていたのですが,このあと,Aさんは,自分がタブレットに書いていた "I went to go to 〜." というフレーズのずれ(went to のあとに (go to) を書いていたこと)に気付き,「あ!あ〜!」と言いながら,書き換えていました。

わたしもその様子を横で見ながら,

「おおお〜! I went to 〜. I go to 〜. ふう〜ん!」

なんて言いながら,Aさんとにっこり顔を見合わせました。


Aさんは,Bさんに音声を繰り返し教え,Bさんの want to 〜 との混同についても,教師と一緒に共感しながら伝えた過程を経て,自分のtext に戻ったことになります。


その中で,Aさんは自分の音声と文字を行き来して,ふと気付き直していたのだろうな,と。


その後,わたしは,その2人の場を離れたのですが,Bさんの振り返りにおもしろいことが書いてありました。


『今日は,3コマできて,言えるようになりました。ゴーヤは Bitter Cucumber ということがわかりました。そして,魚を網で獲ることも, fishingということが分かりました。』



後半の fishingについては,ALTとのやりとりで,釣り竿を使わなくても, fishing!?と驚いていたこと。前段の ゴーヤについては,あのあと,Aさんとのやりとりを通して,英語でどう表現すればいいか,一緒にインターネットで検索したりALTに尋ねたりして, bitter cucumber って言うの!?って発見して笑ってました。

(本校のALTは,本当は bitter gourd (うり)が正確なんだけど,bitter melonとも表現できるんだけど,,,でも子どもたちにまずイメージできるのはcucumber等々考慮した上で,今回はcucumberで伝えてみたんだよね〜...と話してくださいました! Goya という表記で,わたしはアメリカのスーパーマーケットで何度も見かけたな〜,,,という記憶がありますが。)

先週末に読んだ本(「他者と働く──「わかりあえなさ」から始める組織論 (NewsPicksパブリッシング)」)に,「対話とは 新しい関係性を構築すること」というフレーズがあって,印象深く心に留めていたのですが,

今日の子どもたちのやりとりの姿は,「教える,教えられる」の関係を経たあと,自分の学びに戻る姿や友達の疑問に一緒に答えてみる中でみつけた面白さみたいなものが垣間見えて,子ども同士の関係性が変化していたなあって振り返っていました。


TAKATA, Misato


P.S.

冒頭に載せている図2は1つ前の時間に行った Destiny Game. なんじゃこのお名前!と正直思っていましたが(今もちょっぴり思っているかな...)子どもたちは,なんだかおもしろそうです。


I went to the beach. のカードを引いたあと,2枚目のカードが  It was slow. でした。

子どもたちはクスクス笑いながら,浜辺でゆっくり動く友達を想像したり, ウミガメでも見つけたん?!と途中でストーリーを付け加えたり・・・


けっこうおもしろかったんです^^

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