詩集「くすわかば」から見える 子どもの言葉の学び
公開日: 2020年5月11日月曜日
令和元年度に担任した3年生で取り組んだ詩集。子どもたちと一緒に考えた「くすのき」というタイトルで,1年間学級通信を発行していましたので,今回の詩集の名前を
「くすわかば」としました。
くすわかばには,図書室や地域の図書館へ出向いて,出合った詩集の中から,お気に入りのものを書き写していきました。
また,書き写しながら,自分でも詩をつくってみたくなった人は,ぜひ作品も詩集に含めよう!と決めていました。
子どもたちは,選んだ詩集を書き写した後,その下の欄に,「この詩を選んだわけ」を書きました。
また,自分で詩を作った人は,「この詩に込めた思い」を書きました。
その「くすわかば」を読んでいて,気が付いたことがあります。
「与謝野晶子さんの短歌の「若馬」という言葉がいいなと思って書きました。」
「谷川俊太郎さんは,飛行機をしっかり観察していて,それをおもしろく話しかけている詩にしているから,これを選びました。」
「『おべんとう』という題名なのに,いっぱいカタカナが使ってあって,こんな詩,初めてだなと思い,これにしました。」
「なんか,映像が頭にうかぶから,「冬のとこや」木坂涼の詩を書きました。」
子どもたちは,初めて出会った言葉を楽しんだり,その言葉の見た目のおもしろさに興味がそそられたり,言葉からイメージするおもしろさを感じたりして,詩を選んでいました。
慶応義塾大学の今井むつみ氏は「ことばと思考」という著書の中で,子どもがかなり幼い頃から音(言葉の音声も含め)のちがいによってものごとをカテゴリー分けしていくことこと,それに比べて,色についてのカテゴリーが知覚できるようになるのは,かなり時間がかかること,動きとその場面によってもまた,言葉を使い分けていくことなどについて指摘しています。同じような動きでも,「テニスコートを横切る」とは言っても「横断歩道を横切る」とは言わない。横断歩道のようなもの(場)であれば,「渡る」を使う。このことは,言葉から,場面や動き,場所さえも推測できるということを表していると考えます。
なんだか,固くなっちゃいましたが,
3年生の子どもたちが,
「言葉の音(おん)を楽しんでいるんだなあ」ということ
「文字の形や詩全体における見た目」でもおもしろさを感じていること。
(カタカナが多い詩だなあ等)
「映像が頭に浮かぶ」というのも,言葉から映像を思い浮かべ,言葉のカテゴリーを組み合わせて,自分の中での世界を楽しんでいる感じがして。
子どもたちの思いを読みながら,わくわくしたのでした。
感染症拡大防止のための休校措置に入る直前の,昨年度の取組で,あまりじっくり味わう時間がとれませんでしたが,子どもたちに詩集として渡すと,とってもよろこんでいました。後日,詩集の感想や家庭で楽しんだ様子を親御さんから伺い,わたしもうれしくなりました。
そして,こんなふうに,
素朴に音がおもしろい!
なんだ?この文字の感じ!?
こういうことを表してるのかなあ :)
こんな言葉が聞こえてくる,外国語学習にもつながるんだよなあと,教えてもらっている感じがします。
国語の詩の取組から,
外国語学習について,
考えてみた,のでした。
How are you spending under this situation which is a little heavy?
I hope you all stay safe and healthy with your family and friends.
Peace!
TAKATA, Misato
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