!約1年ぶりの投稿です。〜外国語を用いたコミュニケーションについて学ぶ意義〜
公開日: 2023年6月4日日曜日
昨年度の途中から,お休みをいただいていましたので,
今年度に入ってからの投稿もできておりませんでした。
熊本大学教育学部附属小学校の髙田です。
今年度は新たに福永教諭を迎え,本校での外国語活動・外国語科の実践研究,じわりじわりと動き出しています。
もう少ししたら,私も復帰予定です。一緒に話したり考えたりしながら,子どもたちのことや授業のことについて考える仲間がいることは本当にありがたいことだと思います。復帰を楽しみに思っています。
さて,今日,久しぶりにブログを投稿しようと思ったのは,ある大きな出来事があったからです。そのことを書いてみたいと思います。
わたしは,大学時代に1年間だけ,熊本市の姉妹都市,米国テキサス州サンアントニオ市で留学をさせていただきました。そのときに,色々な国から学びに来ていた留学生や現地の大学生と友だちになりました。ありがたいことに,今でもちょこちょことメッセージをやりとりしています。
その中の一人,フィリピンから留学していた友人がいました。彼女は,よくわたしのwritingの課題をチェックしてくれ,伝わりやすい文章の書き方や表現の選択肢を教えてくれた友だちでした。一緒に映画を見に行ったり,フィリピン料理や日本料理をお互いに振る舞ったりして,英語を使ってこんなにうれしい,たのしい経験ができるんだと実感した時期でもありました。
彼女は帰国後,医学の道を志し,さらに学びを進め,後に医師として働き始めました。
今日,そんな彼女から,メッセージが届きました。
"Misato, are you online? I need help translating."
いつも助けてもらった彼女から,訳すのを手伝ってほしいとのメッセージ。
"How can I help you?"
そんなやり取りをして,彼女から訳してほしい内容が書かれた画像(難しい日本がたくさん)が送られてきました。仕事でどうしても必要な情報だったようですが,全て日本語で書かれており,医学のフィールドの専門用語がたくさん載っているものでした。
わたしも,漢字から意味が推測できるものの,初めて読む,見る語彙や熟語も多く,一目でむずかしい!と分かりました。
オンラインでつなぐ?それとも電話する?
そう尋ねると,電話でなんとかなりそう,との返事。
電話を繋げて,わたしは手元で翻訳機能に頼りながら,必死で見たことも聞いたこともない英語を音声化しました。(フォニックスの知識が少しは役立ったけれど,翻訳機には読み上げ機能もあったから,その両方を使いました。)
見たことも聞いたこともない英語を,使い慣れた "Are you with me? Understood?"と確認しながら,伝えていきます。
電話の向こうからは,わたしの英語を聞きながら,パソコンでタイピングしている音が聞こえます。
彼女が一生懸命分かろうとして聞いてくれていることが伝わるし,わたしもなんとか正しく伝えようと一生懸命でした。
読み方に自信がないときには,再度翻訳機に読み上げてもらい,確かめて,彼女は書き留めているようでした。翻訳機の速さよりも,わたしの拙い英語の方がゆっくりで,その分内容を推測でき,反応がはっきりと返ってくる場面も印象的でした。もちろん,翻訳機の音声で,Okay, と確信できた場面もあったようでした。
ひと通り,必要なところを英語で伝え終えたとき,彼女は
"What time is it there?" と尋ねてくれました。
11:24 p.m.
そう答えたわたしに, Oh, it's 9:24 here. Are you going to bed now? と尋ね返した友人。
You are a doctor now! しみじみ,そう言ったわたしに, Yeees.
これはまったく小学校で学ぶ表現で,間のとり方や,声のトーンで,
「ほんっとうに,お医者さんとしてやってるんだねー!」という気持ちまで伝わったかなあ,なんて,そんなことを思っていました。
ちょっと疲れているような声だったので, "Take care of yourself too!" と伝えると, "You too, Misato."
昔と変わらない,やさしくて,ゆったりとした声で,そう話してくれました。
仕事で困ったときに,ふと,日本人であるわたしのことを思い出してくれたんだなあ。
頼ってもらえたなんて,本当にしあわせなことだ。少しは力になれたなら,うれしいな。
お仕事,がんばりすぎてないかな。彼女もゆっくり寝られるといいな。
ああ,こんな日のことを,子どもたちにも,伝えていきたいな。
そんな風に感じた,つい先程の出来事でした。
外国語を用いたコミュニケーションについて学ぶ意義。
たっぷり翻訳機能に頼りながら,心があったかな今のわたしの感情は,間違いなくフィリピンにいる友だちとのやりとりによって生まれたものです。
一言では言い表せませんが,外国語によるコミュニケーションについて,丁寧に,しっかりと,言葉にしていきたいなあと感じた今夜の出来事でした。
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