【札幌の小学校との交流を通して】外国語科の授業における日本の中の学校同士の交流の価値って?

公開日: 2021年11月6日土曜日


 今回,初めて日本国内の小学校とオンラインでつないで,外国語授業を行いました。

わたしにとっては初めての取組でしたが,全国的にはちょこちょこと聴いていた実践の一つでした。


その度に,次のような両方の意見を耳にしてきました。


①日本人同士では英語を使ってやりとりする必然性は高まらないだろう。日本の小学生同士をオンラインでつなぐ等の学習に,意味や価値は本当にあるのか?


②日本の中であっても,異なる文化や地域性があることは,子どもたちにとって価値あるインフォメーションギャップとなり得る。このような取組にも,子どもたちのコミュニケーションを図る資質・能力の育成に寄与する効果がある。



聴いているだけだと,どちらにも一理あるように思うので,実際のところ,どうなんだろうな,と考えていました。


このような前情報も踏まえつつ,北海道札幌市の先生とご縁をいただき,Mystery Zoomを行うことを計画しました。(Mystery Skypeをご存知ですか?世界のある国,ある都市の教室同市をオンラインで繋いで,お互いにどこの国か,どこの都市か,を質問をしながら当てていく活動です。)

本校の子どもたちは,Mystery Skypeで,過去にベトナムと繋がった経験をもっていました。そのときは,What color? Your country frag?というような質問を使って,相手から,Yellow and red!という答えを引き出し,"China!"と揺るぎない自信とともに相手に尋ねたのですが,答えは "No." .... "Vietnam!" とのお返事に 「あー!まじか!」「確かに!Yellow and red だね!」と驚いていた子どもたち。

今回はどこの国かいな!と取り組んでいました。


しかし,教室の後ろに貼られた掲示物に

コソコソ...

「ねえ,あれ,漢字じゃない?」

「Japan? Japan...かな...」


そこで,一番目に手を挙げた人が

画面の前まで行き,

Hello! My name is Chiemi.

Are you in Japan?


尋ねてみると....


YES!


えー!


もう分かってもうた!


という反応でした。


しかし,お相手の学校の先生との連携や相手の子どもたちも上手に反応してくれ,

What prefecture? という質問をキャッチ!


prefecture という語彙は,熊本紹介Mapを作ったときに,繰り返し耳にしていたので,多くの子が,あ!県?県を当てる?と推測しながら聴いていました。


そのあと,

What's your local food?


What is the famous food in your town?


などの質問から,じわりじわりと情報を引き出していきます。


Sea food.  とか, "Zangi ザンギ"などの言葉を聴き,

インターネットで検索する人も....!

コラコラ!と思いつつ,初めてだったので,どんな風に使われていくのか見ていました。


Zangi! 釧路だな! そんなことを呟く人もいました。

We have Watch tower! という言葉から,北海道の,札幌じゃない?


と正解を当てた子どもたち。


そして,北海道の子どもたちは,実は隣の学級で交流してくれており,Kumamotoと知っていたので, What is "ひともじぐるぐる"?と尋ねてくれました。


しかし,それを聴いて,熊本の子どもたちは・・・ポカン。


一文字ぐるぐるをインターネットで検索し,わ!熊本名物って書いてる!

知らん!

と驚く様子でした。


そんな様子を観察しながら,

あー,日本国内同士の交流を通して,こんなことも起こるんだなあ。

自文化の理解,自分,自分の郷土を離れた視点から見るって,こういう活動の中でもおもしろがって起きるんだなあ。


そんなことを学ぶことができました。



北海道の先生から,

「熊本名物をすっごく検索していました!」

「歴史上の人物,だれがいるんだろう?」

歴史の学びと関連付けながら,熊本のことを考えてくれたり,

スポーツが好きな人,いるのかな?と

自分との共通点がある人を探したり,

たのしい,うれしい様子を事後のやりとりでも教えていただきました。


今回はおよそ25分の交流で,もっと工夫できることもたくさんあったと思います。

もっと構造的に準備すれば,スムーズだったり,だれが質問する?みたいな時間も少なくて済んだのかも,,,との反省もありますが,

「緊張した〜」「質問したらよかったなー」

そんな子どもの思いや呟きこそ,大切にしたいなあと思うので,

テンポのよさや効率化よりも,実際の体験から得られる心理的なプレッシャーみたいなものについても,振り返りを行ってみました。


ちょっと長くなりました。

ここまでお読みくださり,ありがとうございました!


いただいたご縁を,継続的なつながりに。

これは今年の一つのテーマです。


また一緒に考えることができるお仲間が増えたこと,

とっても幸せに思っています。


よろしければこちらもご参照ください。クリック↓

お相手の学校のHPにも紹介していただきました☆



    TAKATA, Misato 

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