【御礼とご質問へのご回答】オンライン研究発表会,本当にありがとうございました。
公開日: 2021年3月10日水曜日
2月20日のオンラインによる研究発表会には,たくさんの皆様にご参会いただき,本当にありがとうございました。
外国語分科会には100名を超える方々にご参加いただきまして,ご質問やご意見も多数伺うことができました。各学校,地域で,日々実践を重ねておられる皆様だからこそ気付かれるポイントやいただけるご意見がたくさんあり,本当に学び多き時間を私自身がいただいたと感謝いたしております。
当日,分科会の中でお答えすることができなかったご質問やご意見もありました。この場を借りて,お返事を書かせていただき,共有させていただけたらと思います。
Q1.
単元の導入部分で学びのプランを立てたり、見通しをもたせるとありますが、しりすぼみにならない工夫や、どんな見方・考え方を働かせたかわかる振り返りや、単元の終末の教師の手立てはいかがでしたか?
A1.
子どもと一緒に単元の計画を立てるとき,本当の子どもの「挑戦してみたい」を大切に取り入れていくことで,「しりすぼみ」になりにくくなる,ということが言えると思います。しかし,それでも,単元を通して子どもが「目的」や「相手」をいつも意識し,「本当にわくわくする気持ち」をもち続けられるように,教師が働きかけることは重要だと考えます。
例えば,今回の実践で説明しますと,
①子どもの考えた内容や英語表現を聞いたときに,『きっとDeniseさん,うれしいだろうなあ!』と伝えたり,子どもの "Do you like playing tag?"(鬼ごっこ,好きですか?)を聞いて,『Deniseさん,おにこっご,好きかなあ^^』と,子どもと一緒になって想像して楽しむ,などです。
また,1単位時間の導入場面でも,「今どんなことに取り組んでるの?それはどうしてかな?」というやりとりを,子どもと行いながら,「Deniseさんに〜を伝えるため」とか「〜って思ってほしいから」といった答えを引き出し,子どもたちに目的や相手を明確に意識させるように心がけています。
どんな見方・考え方を働かせたかがわかる振り返りについてですが,大切にしているのは「目的・場面・状況に応じて」自分がどのように情報(内容・言語の両面で)を整理したり組み立てたりしていったか,を言語化できるようにすることです。
そのために,「学びの中で,だれとの,どんなやりとりに影響を受けたのか,具体的なエピソードを書く」ことを大切にしようと伝えています。
単元の終末には,自分ができるようになったこと,それはどんな活動や友だちとのやりとりによるものか,今後,学びをどのように生かしたり,挑戦したりしていきたいか,ということを振り返るようにします。学期に3回〜4回ほどは,振り返りジャーナルというものを書かせ,イラスト,4コママンガ,文章など,自分にあった表現方法で単元全体の長いスパンの振り返りをする活動をしています。
Q2.授業の中で先生が日本語と英語を使う割合はいかがですか。
A2.〇〇割にしよう!と決めているわけではありません。しかし,「使わなくてもよい日本語は減らす」ということは,常に意識しています。本時で見ていただいた動画を見て,きっと日本語がたくさんだなあとお感じになられた方もいるかもしれません。今回のように,子どもが気づきを聴き合ったり,文と文のつながりについて考えたりする場面で,わたしが英語で話し続けることは適切ではないと考えています。
一方で,単元前半の,チャンツを行っている場面やアクティビティの説明をする場面等では,80〜90%は英語で行うようにしています。
目的,内容に応じて,言語の割合は変わることが自然なことではないかと,現段階では考えているところです。
【いただいたコメント】(できるだけそのままご紹介させていただきます。)
「聞くこと・話すことに十分に慣れ親しませて、その後に書く活動を入れるのも、文字と音が結び付きやすいと思いました。」
「高田先生の実践は子どもたち主体であり、子どもたちの人間性を育てていくということで、本当に魅力的です。小学校英語教育において、四技能五領域を軸とした言語習得はベースにしなければならないことですが、私は先生の実践の中の子どもたちの「困り感」と「リフレクションが、学習者主体でその言語習得をつかみに行っているように感じました!」
「力技で道筋を修正するのではなく、色カードを使ったり、目的に立ち返らせることで、めざすところに導かれていることがわかりました。」
「「思考する」、そして「言語化する」ことが日常になっていることが、外国語の時間での豊かな言語活動につながっているのですね。」
「髙田先生の授業を拝見して、外国語科においてもこれだけ、子どもたち主体でトライ&エラーを繰り返しながら思いや考えを伝えるために、表現の工夫や改善をしたり、語順を入れ替えたりしながら学びを深めているのは素晴らしいと思いました。外国語科の授業として、私も目指していきたい、伝えていきたい授業だと感じました。」
「「先生ならこういう表現使う」とか、「教科書のこの表現使って」などではなく、子供の視点に立って「どうやって行こうか」一緒に考えるアプローチがとても素敵でした。子供たちと作り上げる授業を目指して自分も頑張っていきたいと思います。」
「発表することがゴールではなく、聞き手にどのように感じてほしいかを大切にしながら発表内容を考え、発表することがゴール。コミュニケーションする意味を大切にしていきたいと思いました。」
「伝える相手、文化背景を意識できる視点で教師の発言が意図されて指導されていることを強く感じました。それがグループの中で子どもたちが試行錯誤しながら出てきたところも素晴らしかったです!」
「子どものiメッセージに涙がでました」
「高田先生、深い学びの実践、ありがとうございました。先生のお授業は、学びに向かう人間性の部分がとても素晴らしいと思います。」
「実里先生、素敵なご発表ありがとうごさいました。子どもたちとの先生のやりとりいつも参考にさせていただいています。」
「実践してみたいことがたくさんありました。」
「少しでも、高田先生の授業のエッセンスを授業に取り入れてみたいです!!」
「心が交流し、あたたかくなれるコミュニケーション活動をしていきたいと改めて思いました。」
「先生の生の授業を見てみたくなりました。」
【深水指導主事からのご助言まとめ】
子どもが主体として自らの学びを調整していく過程についても,スライドを示されながら、取り上げていただきました。
子どもが導入時の話し合いをもとに思考し,自分の英語表現に立ち返り,工夫を重ねていく姿を見取っていただき,価値付けていただきました。
また,子どもが制作したビデオレターを最後まで大切に届けることについて,また,エラーを修正していくための,教師のさりげない返しや指導の大切さについてもお話しいただきました。
【ピダーソン先生のご助言まとめ】
〇タスクを設定してリアルな相手とのやりとり
〇教師が活動,フレーズなど決めてしまうのではなく,子どもが選択していく
〇学習の活動の過程までも,そして,評価の指標をも子どもが作っていく
〇全て子どもに委ねるのではないけれど,子どもが作ることを大切にしている
〇Jason先生のお母さんからのリアルなメッセージ
〇現実的な体験を通して学ぶ
〇教師とこどもが一緒につくる。つくっていく過程にも,子どもがかかわる
〇既習表現や学んでいることが繋がるように配慮していく
〇Heroってどんな人かを話し合うという点は興味深かった
〇後々,Hero観がちがうといったずれを生まなくて済むところでもある
〇Heroだけでなく,Sunshine, Star, Rockなどのメタファーを提示する。イメージを共有するので,答えを探すわけではない
〇イメージはそれぞれにちがうところがあってよいものなので,だからこそ本実践で個々のちがいや個性がゆたかに表出するのでは
〇多様なイメージがだされるから,豊かな語彙表現が生まれる
〇掲示物の内容は,子どもの言いたい内容
〇子どもがつくった語彙表現の掲示物を活用した,語彙表現の復習場面
〇自分が使う語彙表現のときだけ,立つ,というスタイルの練習。ここには,自分の自己決定と発音,が繰り返される
〇子どもが子ども同士を向き合って学んでいる
〇子どもが自分自身の言葉でつくるルーブリック
〇ルーブリックが楽しそうに見える。イラストなど。遊びっぽい。
〇自分たちで見直す場。自己評価,友だちの振り返りへの気付き
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長くなりました。
皆様のご質問,ご意見の中から,授業のどの点について観てくださっていたのか,そして,どの部分に課題を感じ,伝えてくださっているのか,ぐるぐると考え続ける分科会とその後です。ありがたいコメントもたくさん頂戴いたしました。
今回の学びを,必ず糧にして,子どもたちとの学びを考えていきたいと思います。
本当にありがとうございました。
髙田
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