教職大学院からの実習の先生とのやりとり(交換ノート風)vol. 2

公開日: 2020年7月7日火曜日

 先週も書かせていただきましたが,週に1度,熊本大学の教職大学院より,実習に来ておられます。
先週の記録をいただき,自分なりに考えたことをお返事させていただきました。お返事といっても,毎回,質問いただいたり,コメントいただくことで,「ああ,そこまで見られていなかったなあ」と,宿題をいただくような気持ちで,こうして一緒に考えてくださる人がいることを幸せに思っています。

 実は,先週と今週で,もう1人別の学生が観察に来ておられます。この方は,振り返りや形成的評価について,関心をもっておられるとのこと。詳細な観察記録をいただき,読み返しながら,子どもの学ぶ様子について見えていなかったところをたくさん見つけています。

 もっともっと丁寧に見ようとしないと,見逃すなあ。特にグループ別の活動にしたときに,個々のグループでどんな学びが起きていたのか。活動を重視してたっぷり時間をとりたいのは,子どもたちの思いも同じ。振り返りの時間をしっかりとらなければ,教師が見取れない,感じとれないことも多くなるようにも思います。

このあたり,もう少し考えてみたいところです。


以下,今週も中村さんに了解をいただき,掲載します。







2020630() 教育実習2回目 @熊本大学教育学部附属小学校


<振り返り>
〇教師のフォロー
→授業開始時に子どもがどうやって英語で言えばいいか分からない様子だった
⇒教師が「始まるよ!って感じが伝わればいいよ!」とアドバイス
➡子どもが「Let’s start English Class」と言えた!

☆彡決まった形で言わないといけないという意識を覆すきっかけになった助言になった!

決まり文句的に繰り返される英語表現は,そのフレーズに慣れ親しむ上では,とても大切なものだと思います。実際,わたしは “How are you?” と尋ねられたら “I’m fine. Thank you, and you?” と答えることは瞬時にできます。でも,そんなとき,アメリカテキサス州で “I’m fine. Thank you, and you?” というワンパターンなフレーズの繰り返しなんてなかったなあと思い返します。場面や相手のフィーリングに応じて “Good, thank you.” と答えが返ってきたり, “What’s up?” “Not much. What’s new?”でやりとりがうまくできなかったり。。。瞬発力的な応答は,目的や場面や状況に対する柔軟性も同時に養われていないと,十分に活用できないなあと,そんな実感があります。
 これでなければならない!というわけではない,とう認識は大切にしたい。けれど,選択できるものがなければ,逆に苦しめる。ので, “Hello!” “Let’s begin English time!” “Let’s start English!” など,複数の表現を繰り返し耳にしていて,表現は一つだけじゃないんだ、選んでもいいんだ!というメッセージが送れたらなあと考えています。


ICTの活用
子どもたちがやりとりの順序をロイロノートを活用して考えていた。
その中で、観察していたグループでは、『Thank you』と『This is my new friends』をグループ内でのやりとりの後に、順序に違和感を持って、入れ替えていた。

☆彡前時と同様コミュニケーションの場面・状況への意識
☆彡ICTのメリットとして、修正しやすく、このような思考に子どもたちが集中できる!

▶話の流れやまとまりといった構造に目を付けることは,子どもたちは国語科で既に学んでいる大切なことです。そのような視点を活性化させたいと考え,ロイロノートに順序を入れ替えることができるカードを配付しました。その活用が見られたことは,教材として工夫してみてよかったと言える部分だと思います。他の子どもたちにも紹介するなどして,その思考を広めることもやっていかなくてはなあと感じました。


〇動画の撮影において
子どもたちが「9月って英語でなんていうんだろう?」と疑問を持ち教師のもとへ
教師がただ質問に答えるだけでなく、そうした子どもの姿も含めて撮影していた。
→子どもが表現を振り返ることができるように、そして口元の撮影により発音も真似できるような工夫がされていた。

▶映像や音声を記録できることはICT活用の強みだと思います。言語の習得には,どうしても〈繰り返し〉という過程が必要です。尋ね方,自分で使えるようになりたい英語表現,相手が答えるときに使った英語表現。。。など。映像にして,活動に返すことにより,自分で必要な場面に必要な素材を見返すという学び方を身に付けられるのではないかなあと考えています。


<疑問、質問>
〇小学校・中学校の連携で意識していることはありますか?
例)内容面だけなく、附属中学校の英語の授業観察や教師間で対話など

▶附属中学校の先生方とは,年に2回くらい授業を見合っています。また,互いの実践について相談をしたり,協力してもらったりします。中1で作成したスキットをDVDにして送っていただいたり,小学生が作成したポスターを見てもらったり。。。評価の在り方や視点について,電話で相談にのっていただいたこともありました。
先程話したように,カリキュラムや内容レベルの接続で終わるのではなく,活動レベルでの取り入れが相互にできていくと,本当の意味での接続になっていくのではないかと考えています。


〇附属小学校のブログの活用の目的(意図)
例)教師としての授業記録、保護者へ学びの共有など

▶ブログは,情報発信の意味合いは強いです。保護者に,子どもたちの学びの姿を尻手いただいたり,私たちが考えていることを知っていただいたり。。。という感じです。また,他校の先生たちに,実践を知っていただき,繋がりをいただいたり,ご質問やご意見をいただくこともあります。また,本校の取組を見てくださった先生に再現していただいたりしながら,感想を聞くことにより,授業実践として磨いていくというイメージもあります。
それが,必然的に,自分の記録として残っていることも,大変貴重なことだと思います。
最後に,自分の思考の整理にもなっているなと感じます。書き出すことにより,子どもの声を思い返したり,その時自分が何を考えていたのか,また,どんな視点が足りなかったのかを考えたりなど,自分のリフレクションにも役立っていると思います。


<気づき>
自分の観察していたグループにおいて、ある女の子が何度も『ぎこちない』と言っていた。
その子の手元にあったノートには、使用する質問文の英語がカタカナで書かれてあった。
実際に撮影の場面では、序盤はしっかり話せていたが、3つ目のやりとりになると、思い出そうとして、必死な姿が見られた。そんな中、印象的だったのが、やりとりの相手の女の子が想定外の質問をした場面だった。質問内容としては「あなたの好きな映画は何ですか」といったニュアンスの質問で(正確に思い出せずです…)、それに対して、その女の子は少し悩ましい表情を見せながらもあるジャンルを答えていて、さらに具体的な映画名まで答えて、それを聞いた相手の女の子ともう1人の男の子が笑っていた。さらにその女の子も友達が笑ってくれているのを見て、一緒に笑顔になっていた。
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それを通して、そこに本当のコミュニケーションが生まれたと自分は感じた。
たとえ、その女の子は「I like (映画のジャンル)」と答えたわけでなく、「(映画のジャンル)」と一言だけの応答だったが、そこに彼女の思いが詰まっていて、だからこそ本当のコミュニケーションが生まれたと感じた。

▶観察していてくださり,ありがとうございます。5年生の子どもたちにとって,初めての「自分たちでプランから立てた学習単元」です。もっともっと自由度をもって考えていいんだよ,と焦る気持ちが,私には正直あるのですが,子どもたちはこのようなちょっとした経験を自覚していくことで,うまく言えなくて不安だったけど,本当の思いが伝わったときに,なんだか仲よくなれた感じがした。。。というような実感を味わうのではないかなあと考えています。そんなワンシーンに気付いてくださったことに感謝します。





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